検診結果で「経過観察」と指摘されて不安です
要精密検査の場合にはできるだけ早く乳腺の専門医の受診が必要ですが、経過観察の場合には「ほぼ良性腫瘍」と判断されています。
良性でも大きさの変化があることもあるため、念のため半年から1年後の再検査をおすすめします。
石灰化があって「経過観察」と指摘されて不安です
石灰化はカルシウムなどが沈着したものです。乳腺は母乳をつくる臓器であり、母乳はカルシウムに富んでいるためその石灰成分が検査で描出されることがあります。
また良性腫瘍による石灰沈着が起こっているケースもあり、石灰化は乳がんによるものではないことが多いです。
検査で良性の石灰化が発見された場合には、経過観察となります。また、経過観察でその後に精密検査を要する場合があり、石灰化のみで発見される乳癌は早期がんであることが多いので命にかかわることはありません。
なお、石灰化でも悪性との鑑別が必要な場合や悪性の疑いがある場合には、「要精密検査」と指摘されます。
乳がん検診で指摘された「嚢胞(のうほう)」の意味がわかりません
乳腺に袋状の組織ができて、内部に水分がたまっている状態です。単純に袋状になっているだけで良性ですから、心配する必要はありません。
たくさんできるケースもありますので、美容的なものも含め不安がありましたら気軽にご相談ください。
乳房の痛みはがんの可能性がありますか?
乳房の痛みは特に問題がなくても起こることがよくありますし、定期的な乳がん検診で異常がなければ特に乳がんの心配はありません。
乳がんはしこりの自覚症状で発見されることが圧倒的に多く、痛みをきっかけに発見されることはほとんどありません。
ただし、乳房の痛みには他の乳腺疾患が隠れている場合もありますので、乳腺専門医を受診してください。
乳がん検診では、マンモグラフィだけでなく超音波検査も受けるべきですか?
マンモグラフィだけを行うよりも、超音波検査と両方行った方がより正確性の高い結果を得ることができます。
乳腺濃度の高い30~40歳代は超音波検査が有効な傾向があり、乳腺が脂肪に置き換わっている50歳以上ではマンモグラフィによって早期の乳がんを発見できる可能性が高くなります。
当院の乳がん健診ではマンモグラフィと超音波の検査を両方行って、経験豊富な専門医が総合的に判断しています。
定期的な乳がん検診は必要ですか?
乳がん検診は早期発見のために受けるものですから、頻繁に受けても乳がんを予防することはできません。
40歳以上では1~2年に1回の検診が推奨されていますので、この頻度で検診を必ず受け、セルフチェックの正しい方法を覚えて毎月1回、しっかり確認することが重要です。
なお、家族に乳がんになった方がいるなどリスクが高い場合や、検診で経過観察を指摘された場合には半年ごとの検診をおすすめする場合もあります。
マンモグラフィの放射線被ばくが心配です、毎年検診を受けて大丈夫ですか?
マンモグラフィ撮影1回で受ける被ばく量は、東京とニューヨークを飛行機で往復した際の被ばく量と同じ程度とされています。
そのため、積算被ばく量を考慮した場合でも、リスクの高まる40歳以上の通常検診を推奨頻度で受ける場合の健康被害はないと考えられています。