健康経営が“他人事じゃない”理由
・「ちゃんと寝たつもりなのに朝からだるい」
・「仕事中ずっと眠い・重い・集中できない」
・「家に帰ると何もする気が起きない」
もし、この状態が“普通”になっているなら、健康経営は単なる制度の話というより、あなたの毎日のしんどさを減らせる、超お役立ち情報になります。

健康経営が他人事じゃない「3つの理由」
1) プレゼンティーズム
“出社してるのに本調子じゃない”が続くと、じわじわ損をする
プレゼンティーズムは、簡単に言うと「欠勤はしていないけど、不調のせいで仕事のパフォーマンスが落ちている状態」です。
よくあるサイン
• 寝不足で頭が回らないのに、とりあえず働いている
• 肩こり・腰痛・頭痛が続き、集中が切れる
• 気分が落ちていて、作業が進まない
• ミスが増え、「自分って仕事できないのかも」と感じる
研究ではメンタル不調に関連する生産性損失について、プレゼンティーズムの損失が非常に大きい推計が出ています。日本の調査では、メンタル不調に関連したプレゼンティーズムの損失が GDPの約1.1%相当と推計されています。つまり、社会全体でも問題になるほど、よくある現象だということです。
2) 睡眠・疲れ
健康経営の話で「睡眠」が必ず出てくるのは、睡眠が回復の中心だからです。
よくあるサイン
• 寝ても疲れが抜けない
• 夜中に目が覚める/寝つきが悪い
• 午後に強い眠気が来る
• 休日に寝だめしてもスッキリしない
睡眠がうまく取れていないと、
「集中できない → 進まない → 焦る → 余計に疲れる」
という負のループに入りやすくなります。
厚生労働省の情報でも、生活習慣(運動・入浴・光など)が睡眠と深く関係すると説明されています。
3) 心の疲れ
メンタル不調というと重い状態を想像しがちですが、もっと手前の“心の疲れ”は、静かに進みます。
よくあるサイン
• 以前ほど仕事に前向きになれない
• 新しいことに手を挙げる気力がない
• 会社やチームに関心が薄れる
• 「まあいいか」が増える
これは甘えではなく、心のバッテリー切れに近い状態です。放置すると、「挑戦」「学習」「人間関係」までしんどくなり、結果として仕事も人生も狭くなっていきます。
運動とメンタルの関係は、研究が多い
たとえば、体を動かす量が多い人ほどうつのリスクが低いという関連を示した信頼性の高い研究が報告されています。また、うつ症状に対する運動の効果について、ランダム化比較試験(RCT)をまとめたシステマティックレビュー/ネットワークメタ解析でも、運動が有効であるという結果が報告されています。
※もちろん、強い不調が続く場合は医療機関や専門家を受信ことが大切です。
「運動」が健康経営の文脈でよく出る理由
運動は“睡眠”と“ストレス耐性”にも関係する
「健康のために運動が良い」は聞き慣れていると思います。でも健康経営で運動が注目されるのは、筋肉や体重の話だけではありません。
運動が関係しやすい3つのポイント
• プレゼンティーズム(なんとなく不調)の背景に、体力低下や慢性不調(肩こり・腰痛・疲労)がある。
• 睡眠の質が落ちると、集中力・気分・判断が崩れやすい。
• ストレスへの耐性が落ちると、心の疲れが長引きやすい。
運動と睡眠については、RCTをまとめたシステマティックレビューで、運動が 主観的な睡眠の質、不眠の重症度、日中の眠気 などを改善する可能性が示されています。
つまり運動は、
「体を強くする」+「眠りを整える」+「メンタルの土台を作る」
という形で、仕事のしんどさに幅広く関係し得る、ということです。
効果を狙うなら「運動+食事+睡眠+メンタルケア」
ここまで運動の話を中心にしましたが、実際の生活は“セット”です。
• 運動しても、夜ふかしが続けば回復しにくい
• 睡眠を取っても、食事が乱れるとだるさが抜けにくい
• 生活が崩れると、ストレスにも弱くなりやすい
この「セットで効く」考え方は、研究の世界でも“ライフスタイル”として整理されています。
運動・睡眠・食事などの生活要因が、メンタルヘルスの予防や治療にも関係する可能性をまとめたメタレビューもあります。さらに日本でも、厚生労働省の「スマート・ライフ・プロジェクト」関連情報で、運動・食生活・睡眠などを含む生活習慣全体として健康づくりを進める枠組みが示されています。
ここまでを一言にすると、運動は“入口”になりやすい。
でも本当に効かせるなら、食事・睡眠・メンタルケアも一緒に整える方が期待値が高いということです。
まとめ:健康経営は「会社のため」だけじゃなく「自分を守るため」
健康経営が他人事じゃない理由は、とても現実的
• プレゼンティーズムは、出社できていても自分の時間と集中力を削る
• 睡眠・疲れは、仕事のしんどさを固定化させる
• 心の疲れは、やる気だけでなくキャリアの選択肢まで狭める
そして、運動は体だけでなく睡眠の質やメンタルの土台にも関係する可能性が研究でも示されています。
健康経営を見かけたら、「会社が勝手にやっている制度」ではなく、“自分のしんどさを減らすために使える環境” として捉えてみると、一気に自分ごとになります。
参考文献
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