トレーナー紹介
奥松功基(おくまつこうき)
乳がん術後の運動に詳しいスポーツ医学博士。母がステージ3の乳がんと診断されたことをきっかけに、筑波大大学院で運動の研究を開始。乳がん手術件数で日本トップクラスの聖路加国際病院と6年間共同研究をおこない、これまでに10件以上の学会発表をおこなう。 現在はマンマリアツキジでトレーナーとして活動中。乳がん経験者向けパーソナルジムは10ヵ月連続満席。NHKや読売新聞などにも取り上げられる。
略歴
2021年 | 筑波大学大学院 博士課程 スポーツ医学専攻 卒業 |
---|---|
2018年 | 筑波大学大学院 修士課程 体育学専攻 卒業 |
2015年 | 立命館大学 スポーツ健康科学部 卒業 |
資格・受賞
博士(スポーツ医学)・英検1級・健康運動指導士・修士(体育学)・保健体育教員免許・筑波大学大学院 スポーツ医学専攻長賞受賞・日本サルコペニア・フレイル学会優秀演題賞・カヌー競技(1人乗り)国体優勝
主な研究論文・学会発表
日本乳癌学会の国際学術誌や、スイスの医学誌などで乳がん経験者向けの運動に関する論文を複数執筆。筆頭著者として5本の学術論文を執筆し、博士論文は筑波大学の専攻長賞を受賞。これまでに、乳がん経験者における運動が体力に与える影響や、ホルモン療法と体重変化の関連などを論文執筆。学会発表も10件以上おこない、乳がん分野で世界最大規模のサンアントニオ乳がん学会(アメリカ)や世界的にも有名な全米腫瘍学会でも学会発表をおこなう。
執筆論文
- Association between Endocrine Therapy and Weight Gain after Breast Cancer Diagnosis among Japanese Patients. Med Sci (Basel). 2021.
- Urinary incontinence onset predictors in community-dwelling older women. Geriatr Gerontol Int. 2021.
- 乳がんサバイバーの健康課題解決に向けた包括的検討-体力、身体活動量、体重変化に着目してー. 博士論文. 2021.
- Effects of a combined exercise plus diet program on cardiorespiratory fitness of breast cancer patients. Breast Cancer. 2019.
- 日本人乳がんサバイバーの体力水準. 体力科学. 2018.
- Effects of combined exercise plus diet intervention on quality of Life among Japanese women with breast cancer. 修士論文. 2018.
- 中高齢男女を対象とした生活活動とメタボリックシンドロームリスクとの関係. 京都滋賀体育学研究. 2015.

メディア出演・学術活動
メディア出演
- NHK「きょうの健康」
- NHK「Doctor’s Insight(英語版)」
- 読売新聞「医療ルネサンス(コロナ禍とがん)」
- ヨミドクター「乳がんの発症リスク 高いのは「肥満」? それとも「やせ」?
- 日経MJ「筋トレのお供を手ごろに プロテインに新興勢力」
- 日本対がん協会「乳がん再発を予防する運動と食事」パンフレット執筆
- 日本対がん協会「乳がん経験者向け 運動の利点」パンフレット執筆
樋口明奈(ひぐちあきな)
略歴
2017年 | 新潟医療福祉大学 理学療法学科 卒業 |
---|---|
2017年 | 整形外科クリニック 勤務 |
2022年 | 早稲田大学大学院 修士課程 スポーツ科学専攻 入学 |
資格・受賞
- 理学療法士
- pilates instructor
論文執筆
- 月経周期における大学女子バレーボール選手の足関節機能の変化.理学療法科学.2017
- 整形外科外来を受診する中高生の伸展時腰痛の約6割は腰椎分離症(急性期)によるものである.日本臨床整形外科学会雑誌.2022
- 男子小中学生における足部除脂肪量の発育変化.日本成長学会雑誌.2023掲載予定
得意分野
乳がんの手術後は肩周りが硬くなり、日常生活で腕を上げるような動作が難しくなったり肩が痛くなったりすることがよくあります。そのような場合に、肩のストレッチを行ったりストレッチの方法をアドバイスしたりすることが出来ます。肩や肩以外の体の動きにくさなど困っていることがあればご相談下さい。

私が乳がんと運動の研究を始めた理由
2015年に母がステージ3の乳がんと診断され、聖路加国際病院で手術を受けました。手術の結果説明を私が聞きに行ったのですが、その際に主治医の山内英子先生(聖路加国際病院ブレストセンター長)から、術後は適度に運動するようにと説明を受け、その時に初めて乳がん経験者に運動が良いことを知りました。偶然、私は筑波大で肥満の方を対象に運動や食事の研究をしていたため、その話をすると山内先生も熱心に話を聞いてくださり、その後いくつかの打ち合わせを経て、共同研究をするに至りました。
現在の母の様子
母は体育教師で普段から運動や食事にかなり気を使っていましたが、ある日陸上の合宿中に胸から出血していると生徒に指摘され、病院で診てもらった結果ステージ3の乳がんでした。運動は乳がん発症を予防する効果がありますが、絶対に予防できる訳ではないため、母のように運動をしていても乳がんと診断されるケースもあります。ただし、体力が高かったこと等が幸いし、一連の治療を無事に終えることができました。最新の研究では、運動は乳がん経験者の合併症や入院率を下げる働きがあり、母は「普段から運動していて良かった」と言っています。治療後は無事に現場復帰し、陸上のコーチとしてリオパラリンピックに出場し、2021年の東京パラリンピックにも陸上のコーチとして出場しました。

マンマリアツキジでの運動プログラムについて
マンマリアツキジのジムでは主に、マシンを使った筋トレをおこないます。乳がん再発予防のためには歩行以上の運動強度が重要で、筋トレは十分な運動強度を確保することができます。また、乳がん経験者は上半身の筋力が特に低下しており、抗がん剤などの影響で10年分の筋肉量が減るとも言われています。低すぎる筋肉量は乳がん予後に悪影響がありますので、健康に必要な筋肉を維持し、体型を引き締めるためにも筋トレがおすすめです。マシンを使う筋トレが初めての方も多数いらっしゃいますが、トレーナーがマシンの使い方を丁寧に解説しますので、ご安心ください。

マンマリアツキジ パーソナルジムの特徴
適度な運動は乳がん再発を予防する効果がありますが、日本では乳がん経験者向けに特化した運動施設はとても少なく、一般のジムで入会を断られたり、トレーナーに乳がんのことを相談できないという事例はよく耳にします。当ジムは乳がん経験者に特化したジムで、乳がんと運動分野で博士号を取得した奥松トレーナーが運動サポートをおこないます。手術前から抗がん剤中、ホルモン療法中にかけて幅広く対応でき、術式に合わせて無理のない運動がおこなえますので、安心してジムにお越しください。また、クリニック連携型のジムですので、乳腺専門医と連携を取りつつ、電子カルテを参照しながら、効果的な運動をご提供いたします。
