まず初めに
痛みと運動については、研究面で明らかになっていないことも多く、適切な運動種目や効果の大きさについては個人差が大きいです。まずは主治医の先生のコメントを参考に、無理のないよう取り組んでいきましょう。
運動でポジティブな効果あり
運動することで、ヒザ痛や肩こりなどが和らぐことが、多くの研究で実証されています。腰痛や肩こりの運動は一般的な筋トレとは動きが異なるため、症状別のオススメ運動を是非ご覧ください。
ヒザ痛緩和のために太ももを鍛える
年齢を重ねるにつれ、ヒザの軟骨がすり減り、痛みや可動域の制限が生じやすくなります。一方、太ももの筋肉を鍛えることで、階段の登りや歩行のスピードを調整しやすくなり、ヒザへの負担が和らぐことが期待できます。信頼性の高いレビュー論文の結果でも太ももの筋肉を使う固定バイクや筋トレによるヒザ痛緩和の効果は、他の運動よりも大きいことが示唆されています。(研究によって結果のバラツキも多く、運動時の痛みに不安がある場合は、まずは主治医の先生のコメントを参考になさってください)
ヒザ痛緩和に踏み台昇降がオススメ
ヒザ痛がある方向けのオススメ運動として、踏み台昇降があります。段差の小さな踏み台だと膝への負担が軽く、スポーツ科学で世界をリードするアメリカのスポーツ団体(NSCA)でも推奨されている運動です。リオールジムでも踏み台昇降はよくおこなっており、筋肉だけでなく持久力も同時に鍛えることができます。踏み台の高さや回数・負荷(ダンベルを持つか否か)は体力によって異なりますが、ジムでは20回を1セットとして、3セット程度おこなうことが多いです。
痛みが出る種目は避ける
基本的に痛みの出る種目は行わない方がオススメです。特定の動きをした際に痛みが出る際は炎症などが起きている可能性があります。この場合はしばらくの間、痛みの出る部位を安静にして様子を見つつ、痛みの出ない部位での運動に切り替えていきましょう。例えば、ヒザ痛がある場合、スクワットなどのヒザを深く曲げる運動で痛みが出ることが多いです。まずは主治医の先生のコメントをご参考にしていただきつつ、運動で無理をしないことも重要です。
腰痛予防に効果的な運動
有酸素運動は腰痛予防に効果的であることが信頼性の高いレビュー研究で報告されています。運動で腰痛が改善するメカニズムとしては、運動によって筋力や可動域などが向上することで、痛みが緩和し日常生活に戻るまでのスピードが速くなると言われています。どの運動が特に効果的かについては、ピラティスが特に効果的と言われています。ピラティスで腰痛緩和効果があった報告する先行研究では、Spine stretch, saw, mermaidなどのエクササイズがおこなわれていました。特に、太もも裏のストレッチは様々な研究機関でも腰痛緩和に効果的と言われています。
肩こり改善の運動
肩こりのエビデンスはヒザ痛や腰痛と比べると少ないのですが、定期的な運動は肩こりの予防に効果的で、既にある肩こりに対しては、ヨガやピラティス、筋トレが特に効果的と言われています。最新のエビデンスでは、肩こり改善にベストな運動はまだ見つかっていませんが、特に上記の3つは効果的とされていますので、取り組みやすい種目を継続することがオススメです。
ちなみに、肩こり改善の筋トレは一般的な筋トレと内容が異なります。首周りの筋肉強化が重要になりますので、写真のような肩や首周りを鍛えるトレーニングがポイントになります。また、細かな種目については分かりやすい筋トレの種目はこちらからご覧いただけます。肩こり改善には様々な種類がありますので、更なる種目はこちらにも記載されています。