乳がん手術後、いつから運動できる?

乳がん手術後、いつから運動できる?

乳がん手術後、胸回りに痛みや違和感を感じることがしばしばございます。痛みは個人差が大きく、改善に向けては様々なアプローチがあります。まずは主治医の先生のコメントを参考になさってください。本ページでは、先行研究の内容を参考に、リオールジムで得られた知見などを下記に記載いたします。

痛みがある時に運動をおこなっても良いのでしょうか?

痛みの原因が急性期の炎症であれば、まずその治療が必要です。また、術後の慢性的な痛みは医師や理学療法士など専門家のサポートのもと、痛みのある部位を適切に動かすと痛みを改善しやすいです。ただし、痛みのある部位を自己流で動かすとケガが長引いたり、痛みが強くなることがあります。痛みの出る種目は無理に行わずに別種目に切り替えいきましょう。

膝痛が気になるのですが、どのような運動が効果的でしょうか?

乳がん経験者の膝痛は、ホルモン療法の副作用によるものや、変形性膝関節症などが考えられます。これらの痛みは適切な運動で改善することが多くの研究で報告されており、世界的医学雑誌ガイドラインでも運動の効果が実証されています。

乳がん経験者を対象とした研究では、関節痛改善のために太ももの筋トレなどがおこなわれており、摩耗したヒザ関節を筋肉でカバーし、関節痛の痛みを和らげるという考え方が広まっています。ただし、先行研究の多くは運動をする際に筋トレマシンを使っており、自宅で一人でおこなうには難しいです。例えばヒザ痛がある際はスクワットをすると痛みが出る可能性もありますので、痛みの出る種目は無理におこなわないよう気を付けていきましょう。

 

運動で肩回りの可動域を改善する?

運動を定期的におこなうことで、肩回りの柔軟性が向上します。柔軟性が上がると、ウォーキングや筋トレの選択肢が増え、体力を更に上げやすいです。ただし注意点として、乳がん手術後にいきなり激しい運動をすると、ケガやリンパ浮腫のリスクもありますので、まずはストレッチから始めていきましょう。

ストレッチが楽にできるようになりましたら、少しずつ強度の高い運動にチャレンジしていくと、筋肉量アップや疲労感の改善も期待できます。

肩周りが痛く腕が上がらないのですが、どのような運動が良いのでしょうか?

乳がん手術後は肩の可動域が狭くなり、腕を天井方向に上げると痛みが出ることがよくあります。その場合は、無理に激しい運動をする必要はありません。まずはストレッチから始めて、肩まわりの可動域を改善していきましょう。オススメのストレッチはショルダーフレクションとセルフローイングです。

ショルダーフレクションは手をリラックスさせた状態で、腕を天井方向へ痛みのない範囲でゆっくり上げていきます。

ショルダーフレクションショルダーフレクション


セルフローイングは手の平を天井に向け、わきをしめながら、肘を背中の後ろへ引いていきましょう。肘を引ききったタイミングで左右の肩甲骨を背中の中央に寄せることがポイントです。

セルフローイングセルフローイング

どちらも毎日10回が目安です。少しずつ可動域が改善していきます。肩や腕の可動域や痛みが気にならなくなれば、ランニングや筋トレなどに切り替えていけると理想的です。

抗がん剤中でも運動して大丈夫でしょうか?

抗がん剤中の場合でも運動がおこなえます。リオールジムでは、術前化学療法、術後化学療法の方もトレーニングにお越しになり、ケガ無く順調に運動をおこなっています。最近だとTS-1内服中の方や、AC療法中の方も複数、ジムをご利用いただいています。ただし、抗がん剤中は体調の波も大きいため、主治医にご相談の上、トレーニングをご検討下さい。リオールジム併設の乳腺クリニック マンマリアツキジの医師も相談に応じる事ができます。

手術前に運動しても大丈夫でしょうか?

主治医にご相談のもと、特に問題が無い場合は手術前から運動がおこなえます。リオールジムではがん手術前からご利用いただく方も複数いらっしゃいます。手術直後は安静必須のため、どうしても体力や筋肉量が減ってしまいますが、最近はプレリハビリテーションといって、手術前に体力や筋肉量を高めてから手術をおこなうことで、術後の合併症を防ぐという考え方も広まってきました。事前に体力を高めておくことで、治療後の回復が進むことが報告されています

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