こんにちは、女性のがん経験者向けジム 代表トレーナーの奥松功基です。
早速、乳がん経験者向けのおすすめプロテインを解説します!
おすすめプロテイン
価格:一袋250gで7,700円(高級プロテイン)
味:水割りだと厳しいが、アーモンドミルクで飲むと美味しい。
溶けやすさ:やや溶けにくい。
乳製品のプロテイン(ホエイプロテイン)はどうしても気になるという方におすすめです。植物由来のプロテインで、人工甘味料などの添加物ゼロです。
価格:一袋1,000gで4,190円(やや高め)
味:普通に美味しい。
溶けやすさ:普通。
人工甘味料や着色料の入っていない国内生産のプロテインです。最初にご紹介したマクロビよりもお手頃価格で、味も美味しいです。
③ゴールドスタンダード(通称:ゴルスタ)
価格:一缶2.3kgで6,836円(比較的安い)
味:普通に美味しい。
溶けやすさ:かなり溶けやすい。
プロテイン世界シェア1位の商品です。人工甘味料が入ってますが、価格が比較的安く、味や溶けやすさも素晴らしいためご紹介します。
価格:1本約150円
味:おいしい。
溶けやすさ:非常に溶けやすい。
日本各地のコンビニで買えるザバスのホエイプロテインです。最初のプロテインとして超おすすめです。小さいサイズも大きいサイズも、入っているプロテインの量(15g)は一緒です。
補足編
※以下は、プロテインと乳がんに関する補足情報ですので、もしご興味のある方はぜひご覧ください٩( 'ω' )و
乳がん経験者にプロテインは必要なのか?
結論、私は1日1杯程度の適度なプロテイン摂取をおすすめしています。栄養学の世界では天然の食品から十分なタンパク質をとれれば、プロテイン(サプリ)は必要ないと言われていますし、私も賛成です。
ただし、がん経験者に対象を絞ると、抗がん剤や運動不足の影響などが重なり、筋肉が少なすぎるケースが多いです。筋肉量が低すぎると、予後に悪影響があると言われていますので、効率よく筋肉をつけるためには、十分なタンパク質(プロテイン)を摂ることが重要です(1)。
乳がん経験者の場合、赤身肉や加工肉を過度に避けすぎて、1日のタンパク質がかなり不足しているケースもあります。推奨される量は体格や運動量、血液値などによって異なりますが、1日当たり50〜70g程度のタンパク質摂取は必要です(2)。通常の食事だけではタンパク質が足りないケースもありますので、私個人的には1日に1杯程度のプロテインは多くの場合で"アリ"だと思います。
どのタイミングでプロテインを飲むべきか?
おすすめは運動直後、または、朝食時です。運動後30分以内のプロテイン摂取は筋肉がつきやすくなります!また、睡眠時は筋肉が分解されますので、朝食でプロテインを補給すれば、筋肉の分解を防げます(3)。
プロテインの飲み過ぎは腎臓に悪いのでは?
プロテインの飲み過ぎが腎臓に悪影響を与える可能性がありますが、1日にプロテインを5杯以上飲む極端なケースが考えられます。普段、食事サポートの際に、私たちは腎機能の値や日本の栄養ガイドラインを参考にしながら、個人に合ったおすすめの量をお伝えしています。一般的な食事がとれていれば、1日1杯程度のプロテインで十分ですので、1日2〜3杯は飲まなくても大丈夫です(4)。
サプリって効果ないんじゃないの?
がんと診断された後に多くの方が病院で、乳がん再発予防のために、科学的に実証されたサプリはないとご説明を受けたと思います。確かに、乳がん再発予防に効果的なサプリはまだ報告されていません。
ただし、筋肉量を増やすという面で見ると、プロテインはしっかりと効果の実証されているサプリであり、エビデンスレベルがとても高いです。がん治療に伴って、体力や筋量が減った実感があると思いますので、失った筋肉を取り戻すためにもプロテインは信頼できるサプリメントです(5)。
乳がん再発予防という観点ではなく、乳がん診断後の健康を維持するためにプロテインの上手な活用をおすすめしています。
プロテイン摂取については、こちらの動画でもまとめていますので、更なる詳細はYoutubeをチェック✨↓↓↓
筆者紹介
奥松功基(スポーツ医学博士)
2021年に筑波大でスポーツ医学の博士号を取得。聖路加国際病院と共同研究を重ね、学会や学術雑誌でも発表多数。現在は築地にある乳腺クリニック マンマリアツキジ併設のジム(リオールジム)の代表取締役。専門は乳がん経験者向けの運動と食事。Googleで「乳がん 運動」と検索すると上位3件は全て奥松関連の情報。
参考文献
1. Adriana Villaseñor et al., Prevalence and prognostic effect of sarcopenia in breast cancer survivors: the HEAL Study. J Cancer Surviv (2012).
2. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書, 日本人の食事摂取基準2020年度版. 第一出版(2020).
3. Peter W R Lemon et al., The role of protein and amino acid supplements in the athlete's diet: does type or timing of ingestion matter?. Curr Sports Med Rep (2002).
4. Mary E Van Elswyk et al., A Systematic Review of Renal Health in Healthy Individuals Associated with Protein Intake above the US Recommended Daily Allowance in Randomized Controlled Trials and Observational Studies. Adv Nutr (2018).
5. Chad M Kerksick et al., A Systematic Review of Renal Health in Healthy Individuals Associated with Protein Intake above the US Recommended Daily Allowance in Randomized Controlled Trials and Observational Studies. J Int Soc Sports Nutr (2018).